どうも、筆者のクロです! 今回はテレビアニメ「北極百貨店のコンシェルジュさん」を視聴した感想を語ろうと思います。公開当時にYouTube広告でたまたまこの作品のことを知ったのですが、映画館へ見に行こうと思ったら既に公開終了してしまっていたという苦い記憶がありますw
ネットフリックスに配信されたので、ようやく今回本作を見ることが出来ました! 興味のある方は、ネタバレに注意しつつ本記事をご覧になっていただけると幸いです。それではいってみましょう!

作品紹介
・あらすじ
新人コンシェルジュとして秋乃が働き始めた”北極百貨店”は、お客様が全て動物という不思議な百貨店。一人前となるべく今日も元気に店内を駆け回ります。
NETFLIXより引用
原作は「ビッグコミック増刊号」にて、西村ツチカによって連載された漫画作品
監督は板津 匡覧、制作はProduction I.G
ジャンルはファンタジー
ネタバレなし感想
とてもポップで爽やかなキャラデザと、快活で躍動感に溢れた作画が印象的でした。登場人物がほとんど動物である点は、以前感想記事にもしたオッドタクシーにも似ていますね。あちらは基本動物のみでしたが、本作は人間もしっかり出てきます。そして出てくる動物の殆どが絶滅動物というのも特徴的な要素となっています。
新人コンシェルジュの秋乃がとても天然ドジっ娘ながらも必死で現場で学び、お客さんのために頑張る姿がとてもハラハラしつつも魅力的で可愛らしさを感じました。まるで愛娘を心配しながら見守るおやのような気持ちで基本見ていました(笑) そして謎のペンギンの客のエルルもとても個性的かつ魅力のあるキャラで印象的でしたね。秋乃とエルルの2人のやり取りが本当に面白くて癒されました。
ドタバタコメディチックにストーリーが展開されていきますが、しっかりと深みのある展開も楽しめて感動できる要素も兼ね備えており、秋乃を中心に様々な魅力的なキャラクターが作品を見事に彩ってくれて最後までじっくりとストーリーを堪能することが出来ました!
本作の尺は70分と一般的な映画の尺と比べてかなり短いのが特徴で、程よく気楽に作品を堪能できます。こういった短い尺の単発系の映画だと、大抵テンポが良く無駄のない濃密なストーリーや演出の作品が多い印象ですが(もちろん諸説あり)、本作もそういう雰囲気をより顕著に感じられました。もっとボリュームのある作品をじっくり楽しみたい方にとっては少々物足りなさを感じる点だと思いますが、作品の雰囲気も相まって、より幅広くおすすめできるものとなっていると思います!
※以下ネタバレ注意

ネタバレあり感想

ネタバレなし感想ではペンギンとして紹介したエルルですが、実はペンギンではなくオオウミガラスという絶滅動物の一種であり、公式サイトでは敢えてペンギンとして紹介していたため、上記ではペンギンとして話をさせて頂きました。このエルルが本当に魅力が詰まったキャラで、実は北極百貨店の3代目社長であり、自分自身もV・I・A(絶滅種動物)であるという、単純に設定が濃いのも印象的ですが、紳士的かつ知的であり、それでいて北極百貨店に対する並々ならぬ熱い思いも秘めているという、魅力の全部盛りみたいな存在で本当に良いキャラでしたね(笑)
全体的に絵本のような明るくポップで少し可愛らしいデザインの作品ではありますが、随所に生々しい展開や重い設定が出てきたりと、緩急の強いストーリーが展開されます。例えば北極百貨店は、人間の欲望によって絶滅してしまった動物たちを、欲望と傲慢の象徴である百貨店に客として招き、それを人間が迎えもてなすことで人間たちへの戒めとする、という目的で設立された百貨店でした。人間の業をここでも突き付けてくるとは思いもしませんでした・・・(笑) しかし、重くて暗い展開も無駄に引きずることなくテンポよくカタルシスや希望溢れる展開につなげてくれるので、子供から大人まで幅広く楽しめる内容になっていたと思います。
それぞれのお客さんとの絡みやエピソードに魅力があって面白いのですが、特に印象的だったシーンを3つ挙げさせて頂きます。1つ目はモンスタークレーマーとなってしまったカリブモンクアザラシの客をコンシェルジュの森さんが冷静かつ鮮やかに対応するシーン。稀に現れる自分のことを神さまと自惚れた厄介クレーマーに対する鮮やかな論破っぷりを見せてくれて、見ている側もスカッとさせられました。しかし同時に、秋乃がお客さんに優しくし過ぎたことも問題として言及されており、接客の難しさと厳しさを感じられるシーンでした。
2つ目はニホンオオカミのお客さんが彼女にプロポーズするシーン。秋乃の強い思いによって料理人や給仕の人たちが協力して動く様子は最高でしたし、婚約指輪を氷の中に入れて、食事の時間を計算して告白のタイミングで指輪が落ちるように調整するという大胆なアイデアが面白く、秋乃が結構天才だなと思いましたね(笑)
そして3つ目は、芸術を愛するパティシエ見習いのネコのお客さんが、造形作家であるマンモスのウーリーに手作りのケーキを渡すシーン。まず、ウーリーさんが中々良いキャラで、声優の津田健次郎の演技も相まってとても深みのある情緒と物悲しさを感じる魅力的なキャラとなっていました。そんなウーリーさんが手掛けて百貨店に展示していた彫刻作品をネコのお客さんが倒してしまい、そのせめてものお詫びとして、ウーリーさんにケーキを作って渡すことになりました。
このときは秋乃も仕事で失敗を重ねてしまい、ウーリーさんに弱音を吐いてしまう程落ち込んでいました。ですがバーバリライオンのカップルのお客さんに事前に頼んでいた、ゴクラクインコのお客さんの病弱な娘に見せるための北極百貨店の案内動画を秋乃とウーリーさんが見て、これまでおもてなしをして幸せを与えてきたお客さんの想いを知り、秋乃が感極まるシーンもまた感動できる素晴らしい演出でした。ウーリーさんも、亡くなった妻が生前に北極百貨店の良さについて、「行けば分かる」と言っていたことの意味を理解する、とても深く温かいシーンでもあります。
そしてネコのお客さんがウーリーさんに渡したケーキ。そこにはウーリーさんと妻が一緒に並んでいました。「僕と・・・妻だねぇ・・・」と優しさと寂しさ、そして嬉しさが込められたような声で呟くシーンで、私はもう泣きそうになるほど感極まりました。その場にいたキャラ全員の心が救われたような、本当に優しさと温かさに溢れた最高のエピソードだったと思います。
ストーリー自体は文句のない出来だと感じたものの、世界観については結構謎が多く、北極百貨店の外の世界はどうなっているのか、なぜ絶滅動物が存在しているのか、人間は普段どうしているのか、そして北極百貨店の立地場所が明らかに行き来が困難そうな秘境っぽい場所にあること。これらの謎が作中で明かされることはありません。私は単に絵本のようなファンタスティックな世界観としてそういった部分は割り切って楽しめましたが、ここは気になる人も多いでしょうね。いくらでも考察の余地が残されているので、色々な人の考察を見てみるのも面白いのではないかと思います。

まとめ
本作を見終わってしばらくは、北極百貨店のテーマ曲が頭から離れませんでしたねw 世界観の謎の多さも含め、全体的な雰囲気が絶妙に癖になる良い映画だったと思います。接客の奥深さと厳しさ、そしてやりがいについて丁寧に描いているので、接客業に務めている方々にも刺さりそうです(モンスタークレーマーへの対応の仕方とかw)
評価については、星5.0/6.0 とさせて頂きます。作画・デザイン・演出・ストーリー、全てが平均を上回る完成度であり、尚且つ尺も70分と少し短めなので、リピートも気軽にしやすい点もポイントが高いです。万人におすすめしやすい作風となっているので、何かアニメ映画を一本気楽に見たいなぁと思っている方には取りあえず本作を強くおすすめしたいと思います!
本当に面白い物語に出会えた時、それは私たちの心を、そして人生をより豊かにしてくれます。まだ見ぬ最高の物語を求め、共に見ていきましょう! じゃあ・・・また!!!




