アニメ感想

めっちゃ心に深く染みた・・・ 「ルックバック」アニメ感想

アニメ感想
© 藤本タツキ/集英社 © 2024「ルックバック」製作委員会

どうも、筆者のクロです! 今回は映画「ルックバック」を観てきたので、気楽に感想を語ろうと思います。えんじょいアニメ!では、作品の評価を星1~星6の6段階で評価するのですが、まさか感想記事初手から星6評価を付けることになるとは思ってもみませんでしたw 途中からガッツリネタバレありで感想を言っていくので、まだ見てないという方はネタバレなし感想まで読むに留めるか、今すぐ映画館に観に行ってくださいw もう終わって観れないという方は配信か円盤を待ちましょう。では感想いってみましょう!

ネタバレなし感想

あらすじ

小学4年生の藤野は学年新聞で4コマ漫画を毎週連載し、同級生や家族から絶賛されていた。ある日、教師から京本の漫画を掲載したいため、藤野の連載している内の1枠を譲って欲しいと告げられる。

Wikipediaより引用

原作は「少年ジャンプ+」にて、藤本 タツキによって掲載された読み切り漫画作品
監督は押山 清高、制作はスタジオドリアン
ジャンルはヒューマンドラマ

「ファイアパンチ」や「チェンソーマン」で有名な漫画家、藤本 タツキの読み切り漫画が原作の映画になります。原作の存在自体は知っていましたが、内容は全く知らなかったので、今回の映画は完全初見で観に行けました。

観始める前は正直そこまで期待していませんでした。しかしいざ上映が始まってみると、スタートダッシュから凄まじい作画と演出、そして作品の世界観に圧倒され、「あ、これやべえやつだ」と察しましたw

まず素晴らしいと思ったのは、作画表現の躍動感とリアリティです。世界観と見事にマッチした躍動感あふれるアニメーション、そしてキャラクターのまるで生きているかのような繊細な動きの表現に圧倒されました。声優の演技力の高さも相まって、凄まじいリアリティを感じられました。

あとはやはりストーリーが本当に素晴らしかったです。ストーリーの詳細についてはネタバレあり感想で語りますが、まず絵をかくのが好きな方や、イラストレーター、漫画家の方には特に共感を得られるものになっていると思います。私は絵心は全くないのですが、それでも主人公の藤野が夢中になって絵の勉強をして漫画を描き続けるその姿はとても魅力的であり、ずっと見守っていたくなります。後半のとある展開が人によっては強烈な嫌悪感や不快感を感じてしまうかもしれませんが、私はこの描写がちゃんと作品の深みやメッセージ性にも繋がるとても大事な要素として受け止めることができました。

アニメーションとして、そして物語として総じて上質なヒューマンドラマとして仕上がっていると思いました。絵描きを志す人や、深みのあるヒューマンドラマを楽しみたい方、そして繊細さと躍動感にあふれた超絶作画を楽しみたい方は絶対に観に行くべき映画です。尺も58分と短く、手軽に観に行けますし、それでいて1時間弱とは思えない程濃密で高い満足感を得られるものになっているため、その点においても強くおすすめしたい映画となっています!

※以下ネタバレ注意

ネタバレあり感想

主人公の藤野とその相方となる京本の関係性がとにかく魅力的で、この2人が共に漫画を描きながら紡いでいく青春は本当に尊く輝いており、正反対な性格の2人が力を合わせて1つの目標を目指す姿もとにかく眩いものでした(てか13歳で漫画賞準入選は普通に才能えげつねぇw)。

そもそもこの2人の出会いの過程も良いんですよね。小学校卒業の日、先生の頼みで藤野は渋々不登校だった京本の家へ卒業証書を渡しに行くのですが、その時の家の廊下に大量のスケッチブックが積まれているシーンが、そのまま京本という人間の人物像をありありと表現しているようで、藤野もそれを見て京本の努力っぷりを察するところが本当にたまらないんです。

そして藤野の存在に気付いた京本が藤野のもとへ駆けつけ、実は京本が藤野の漫画の大ファンだったことを明かすシーン、そしてそれを聞いて本人の前では澄ました顔で聞いて、帰り道にめちゃくちゃ嬉しい気持ちを躍動感あふれるスキップで表現するシーン、もう序盤から常に「ああ・・・良き・・・」という思いで観ていましたw はんてんの背中にサインを書かせようとする京本の発想も個性的で面白いですw

しかし、高校まで順風満帆だった2人の青春の日々も、やがて人生の分かれ道が訪れます。藤野は大学に行かずこのまま二人で漫画家としてやっていくつもりでしたが、京本は美術大学で絵の勉強をしたいと藤野に本音を打ち明けます。このシーン、藤野は京本の決断を真っ向から否定していますが、本当はただずっと2人で一緒に漫画を描きたかっただけなんだという思いが感じられ、でも素直な性格じゃないからこそ京本に本音を伝えられない。一方京本は藤野に熱い本音を真っすぐぶつける。この対比が実に見事で、キャラクターの性格がしっかりと反映されているからこそのリアリティあふれる上質な対立描写になっていると感じられました。

そしてこの出来事によって、2人は結果的に最悪の運命を辿ることになってしまいます・・・。2016年1月10日、美術大学に侵入した不審者の手によって京本をはじめ、複数の美大生が殺されてしまう問題の事件の描写。どうやら原作では単行本化の際、犯人の表現に修正が入ったらしく、実際にその描写を映画で見てみてなるほどなと納得しました。このシーンは明らかに京都アニメーション放火殺人事件をモデルにしているようでした。

映画では修正前の表現がそのまま使われているようで、京アニ事件の犯人と同じ言葉を使って作中の犯人は京本に襲い掛かっていました。個人的に救いだったのは、この忌々しい犯人に京本が襲われた描写が描かれたのは、別の世界線(京本が藤野によって部屋から連れ出されなかったもしもの世界線)なのですが、そっちでは間一髪で空手をずっとやっていた藤野に助けられたことです。できれば元の世界線でも助かってほしかった・・・。

自分が京本を部屋から連れ出さなければ京本は死なずに済んだのではないかと、京本との出会いを後悔する藤野の姿には私も心を痛めつけられました。連れ出さなかった世界線では実際助かっていましたが、だからといって今の世界線が間違った選択だったとも思ってほしくなかったのです。しかしそういう罪悪感が湧いてくるところも理解できる心情であり、現実の非情さと絶望の底に沈む藤野の心情を生々しく描くその手腕に見事やられました・・・。

最後の部分の描写は解釈が結構分かれる部分かと思いますが、まず別の世界の京本が描いた4コマ漫画が元の世界線の藤野に届くところ、ここは最初京本が生前に描き残したものかな? と思いましたが、元の世界線の京本があの事件をベースにした漫画を描くとは思えないのでやはり平行世界から届いたのでしょう。不思議な繋がりですね。

そして京本の部屋に入ってから藤野の漫画への愛にあふれた机や本棚、そしてふと後ろを振り返ると小学生のころに藤野がサインを描いたはんてんに気付くシーン。4コマ漫画のタイトル「背中を見て」の通り、京本にとって掛け替えのない最高の思い出とターニングポイントの象徴を自分自身が京本の背中に刻んでいたことを改めて自覚したのだと私は解釈しました。同時にこれこそが「ルックバック」というタイトルに込められた意味だったのだと受け取り、「あー・・・見事だなぁ」と映画を観ながら少し興奮したのを覚えています(あくまで私なりの解釈です)。

「なぜ絵を描くのか?」その原点を思い出し、京本の死を乗り越え再び漫画を描き続けていく・・・
その後ろ姿を映したままエンディングに入った瞬間、私はもう涙がこぼれそうな程感動していました。歌も良かったし、エンディングの演出が本当にニクいんよ・・・。ハッピーエンドともバッドエンドとも言えない、しかし儚くも前向きな終わり方に、何とも言えない深い余韻を久々に感じることができたのです。

最後に

間違いなく今作は、現段階で2024年最高峰のアニメ映画と言える素晴らしい映画だったと断言します! 本当に観に行って良かった。一度の鑑賞だけでなく、少なくとも三度は観に行かねばという使命感に駆られていますw 

一番最初の感想記事でいきなり星6評価を付けることになるとは考えてもみませんでした。結構良かった程度だったら星5止まりですからね。余程衝撃的な面白さと感動を得られたということです。

私は大いに満足しましたが、しかし人によっては評価が大きく変わる一面もまた秘めていると思います。私の記事はあくまで一般人の感想として参考程度に見て、実際の評価はその目で観て判断してくださいね。

本当に面白い物語に出会えた時、それは私たちの心を、そして人生をより豊かにしてくれます。まだ見ぬ最高の物語を共に求め、探していきましょう! じゃあ・・・また!!!

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